新型コロナウイルスの影響から、様々なオンラインツールが注目されている中、「オンライン名刺交換ツール」の導入を検討している方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回はデジタル名刺のメリットとデメリット、使用する際のマナーについて解説します。

デジタル名刺とは

デジタル名刺はデータ化された名刺のことを表します。主にスマートフォンやタブレットにQRコードを表示させ、これを相手に読み込んでもらうことで渡すことができます。しかし、名刺をオンライン化・デジタル化する事によって様々なメリットもある一方で、サービスが開始してからまだ日が浅いこともあるのか、デメリットを感じている人もいるようです。

では、紙の名刺とデジタル名刺がどの様に違うのかを見てみましょう。

紙の名刺のメリット・デメリット

メリット

 紙の名刺のメリットとしては以下の3つが挙げられます。

  1. 印象に残りやすい
  2. こだわりを持つことができる
  3. コミュニケーションが生まれやすい

社外の人と会う機会が多いビジネスマンにとって上記の3つは、とても思い当たる経験があるのではないでしょうか。名刺に紙を使用することで紙質・厚さ・フォントなど、非常に凝ったデザインにすることができ、自分だけのこだわりを出すことができます。そこから、同じデザインを使っている場合や似た紙質であることからコミュニケーションが生まれ、印象にも残りやすいのです。

デメリット

対して、デメリットは以下の3つです。

  1. 管理が難しい
  2. 印刷するのにコストがかかる
  3. 正しい作法が絶対的に必要

名刺交換の機会を重ねるに連れ、どうしてもかさばってしまうことが多く、管理に手を焼いているビジネスマンがとても多いです。また、名刺を作成する相場として、フリーのデザイナーに依頼する場合は5,000円前後。プロのデザイン会社に依頼する場合には30,000円前後となっています。これに加えて、追加の印刷があれば適宜費用がかかってくるため、長い目で見ると大きい支出になりそうですね。

デジタル名刺のメリット・デメリット

メリット

名刺をデジタル化することによるメリットは以下の3つです。

  1. 業務を効率化できる
  2. 印刷コストを削減できる
  3. 情報を可視化できる

上記3つのメリットの中でも、「業務を効率化できる」「情報を可視化できる」について、とても大きなメリットだと感じている人が多いです。スマホやタブレットの中で相手からもらった名刺を一括で管理するため、今すぐ欲しい情報を検索機能により見つけ出すこともできます。さらに、この情報を社内共有することで人脈を把握し、営業ミスを避けることもできます。また、QRコードから読み取った名刺に企業ホームページを記載しておくことで誘導もしやすくなるのです。

デメリット

対してデメリットは以下の3つです。

  1. PC、タブレットの環境に左右される
  2. やはりコストがかかる
  3. 名刺の登録作業が面倒

やはり組織的に導入するにはコストがかかってしまいます。さらにPCが動作できる環境に限られること。名刺を複数枚もらったときに登録に時間がかかってしまう点が挙げられます。紙の名刺であればファイルに収納する、名刺ケースに保存するだけで良いため、この点ではかなり手間と感じますね。

おすすめサービス 

デジタル名刺交換をするためのサービスについて紹介します。なかには無料トライアルが付いているサービスや、法人向けのサービスもあるのでぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。

Eight

Eightのスクリーンショット

「Eight」は個人向けに作成されたサービスで、最大の特徴とも言えるのが「QRコードをバーチャル背景で使用できる」ことです。Web会議ツールを使用する際、自分の背景画像としてQRコードを表示させ、相手はそのQRコードを読み取るだけで、完全にデジタルで名刺交換をすることができます。また「Eight」を使用している人同士では、異動や昇進、結婚などによる名前の変更を反映させることができるため、「再び挨拶に行って名刺交換を…」なんてことが無くなります。しかし名刺交換機能が備わっているものの、プロフィールページを共有する形なので、データベースとして利用できません。

Eightはこちら

Sansan

Sansanのスクリーンショット

「Sansan」は企業向けのサービスで、名刺管理サービスにおけるシェア率が約80%と高い人気を誇っています。「Sansan」を使用していない人(オンライン名刺交換サービスを利用している人に限る)でもQRコードを相手に読み取ってもらう事で名刺交換でき、使用している人同士であればURLを送り合うだけで名刺交換され、自動で登録・データベース化されます。この情報は自信の電話帳にも記録することができるため、非常に便利なサービスです。

Sansanはこちら

ビジカ(ビジネスカードクラウド)

ビジネスカードクラウドのスクリーンショット

「ビジカ」では、双方でのインストールが不要という特徴があります。さらに「ビジカ」では後日、会議名や会議日時から該当する名刺情報を簡単に検索できるので、とても便利です。また「ビジカ」は、無料でオンライン会議用のQRコード付きバーチャル背景画像の自動生成ができます。ウェブ会議にQRコード付きのバーチャル背景画像を利用すると、リモートでの名刺交換も円滑に行えるというメリットがあります。

ビジカアプリを持っていない場合

初期費用は無料で、ユーザー1人あたり月額700円という低い料金設定も魅力のひとつです。さらに今ならリモートワーク支援キャンペーンとして、3ヶ月間の無料トライアル期間が設けられています。料金は安価ながら、「ビジカ」のセキュリティ対策は万全です。画像や認証情報・データベースまで全てのデータは暗号化され、保存されます。なおビジカは現時点では、法人のみに対応しており、個人利用は不可となっています。

ビジカはこちら

デジタル名刺交換でのマナー

名刺交換がオンラインで行われるからといって、何もマナーを気にしなくて言い訳ではありません。そこで、デジタル名刺交換におけるマナーについて確認しておきましょう。実際に交換する際には以下のことについて注意してください。

  1. デジタル名刺を導入していることを伝える
  2. 名刺交換のやり方を伝えておく
  3. 万が一に備え、紙の名刺も持っておく
  4. スマートフォンやタブレットを取り出す際には一言断りを入れる

相手がデジタル名刺を導入している場合はスムーズに交換できる可能性が高いです。しかし導入していない場合であれば交換方法もわからないことが想定されるので、導入していること・交換方法については必ず事前に伝えておきましょう。また、タブレットの不具合などで使用できない可能性もあります。紙の名刺も併せて持っていくことが無難ですね。

まとめ

今回は「デジタル名刺のメリット・デメリット」について紹介しました。
紙の名刺による交換では自分のこだわりを出すことができるため、印象に残りやすい他、コミュニケーションに発展しやすいです。その反面、印刷コストがかかることや管理が難しいことが挙げられます。デジタル名刺交換では管理がとても簡単で社内共有できるため、業務の効率化が期待されます。しかしPCやタブレットの環境に左右され、デジタル化しても組織での導入にはやはりコストがかかってしまいます。

近年では、デジタル名刺を導入する企業が増えていますが、重要なことは使いどころです。大切な商談の相手や、お客様に対して「こちらが導入しているから」という理由で合わせてもらうことは、相手にとってあまり良い印象ではないでしょう。

紙の名刺・デジタルの名刺、それぞれの特徴を理解して上手く使い分ける必要があります。