テレワークを導入する企業が急速に増加したことにより、営業スタイルも従来の訪問型から、ZoomやTeamsなどのツールを利用したオンライン商談を主体としたものに移行しつつあります。

これまで、初めての商談では名刺交換が当たり前に行われてきました。しかしオンライン商談の場合はこれができないため、名刺交換をせずに商談に入ることになります。商談を行う上で、相手の部署や役職といった情報は重要な意味を持っており、連絡先を交換することで自分の人脈をカード型データとして蓄積することができなくなります。

そこで、この名刺交換をオンライン上で行う必要が出てきました。そこで、無料でオンライン名刺交換が始められるサービスをいくつかご紹介します。

LINE myBridge

まずはじめに、LINEの名刺管理アプリmyBridgeについてご紹介します。スマホで名刺を撮影するだけで、保管している名刺のすべてをデータ化することができます。撮影した名刺の情報は文字認識(OCR)技術と人の手作業によって、正確にデータ化されます。ですから、自分で文字を入力する必要がありません。

いままで会社名をあいうえお順に並び替えて保管していた名刺ファイルも必要ありません。データ化された名刺情報はスマホやPC上で簡単に検索することができます。名前、会社名、部署、役職などのキーワードで簡単に検索することができるため、過去に交換した名刺も瞬時に呼び出すことができます。

また、社内のメンバーと名刺を共有して管理することもできます。これにより受け取った名刺を一か所にまとめて管理することができ、誰がいつ名刺を登録したか、という更新情報や追加入力したメモも共有できるため、新規開拓営業の際にも効果的に活用することができます。

オンラインで名刺交換する方法は、渡したい相手にオンライン名刺のURLを送るだけです。受け取った相手はあなたのオンライン名刺を確認して保存できます。myBridgeの会員ならmyBridgeに保存できますし、非会員でも端末の連絡先に保存することができます。

Web会議の冒頭で自己紹介をする際にQRコードで表示したり、メールやショートメッセージ、LINEでURLを送信することで、今までの名刺交換をオンライン上で行うことができます。

相手に誤った名刺のURLを送信した場合、そのURLを無効にして、新しいURLに更新できるのでセキュリティに不安がある方も安心して利用できます。

LINEトークならURLだけでなく、名刺画像や名前、勤務先、部署、役職、E-mail、住所といった情報をLINE上に表示できるため、よりスムーズなオンライン名刺交換ができます。もちろん、職場の同僚との名刺共有にも使えます。

myBridgeのサイトはこちら

Wantedly People

Wantedly People(ウォンテッドリー・ピープル)は、400万人以上が利用している名刺管理アプリです。名刺の読み取りは精度の高いOCR技術で瞬時にデータ化するとともに、AI(人工知能)と機械学習を使って読み込むほどにその精度が上がっていきます。同時に10枚の名刺をデータ化することができ、即時にデータ化して連絡帳に追加されます。そのため、名刺交換した相手からスマホに電話があっても相手の名前を表示することができます。

スキャンした名刺データから、相手に関連する情報を検索できるので、さらに関係を深めるためのツールにもなります。Peopleでつながった相手がプロフィールを更新すると、アプリを開いただけで確認することができます。そのため、昇進、異動などの情報もいちはやくキャッチすることができます。

オンラインで名刺交換を行うには、お互いがWantedlyへユーザー登録する必要があります。Wantedly Peopleアプリ上で名刺交換する相手を検索し、「つながりリクエスト」を送ることで名刺情報と登録したプロフィールを相手に渡すことができます。

ほかにもいくつか便利な機能があります。Wantedly Peopleアプリからメールを作成すると、宛名や定型あいさつ文が入力された本文が開きます。これに用件を書き足すだけで、取引先に素早くメール送信することができます。

また、オンラインで交換したもの以外に紙の名刺がたくさん残っている場合に、ScanSnapとの連携で多くの名刺を瞬時に取り込もむことができます。ScanSnapはWi-FiでスマホやPCと接続できる高速スキャナーです。両面読み取りも可能なので、名刺の裏面もデータ化することができます。操作方法は簡単で、スマホとScanSnapをWi-Fiに接続した後、Wantedly Peopleアプリの設定画面からScanSnapを選択して連携します。あとは、名刺をScanSnapでスキャンするだけでデータとして取り込んでくれます。

https://people.wantedly.com/

Eight

Eightは俳優松重豊さんのテレビCMでも有名なsansanが運営する名刺交換アプリです。アプリの利用には無料と有料のプランがあり、ここでは無料で使える機能について説明します。

名刺のデータ取り込みは、スマホで撮影します。撮影方法にはクイックスキャンと連続スキャンがあります。クイックスキャンは複数の名刺をまとめて撮影することができて、相手がEightユーザーの場合その場ですぐにつながることができます。名刺の表面のみを読み取るため、裏面もデータとして取り込みたい場合は連続スキャンを利用します。

また、Wantedly Peopleと同様にEight もScanSnapと連携していて「ScanSnap Cloud」を使えば一度連携するだけで、次からはスマホやパソコンがなくても、読み取った名刺をEightに自動的に登録することができます。

ほかにも「どこでもスキャン」というサービスがあります。これは、スキャナーを持っていない場合にスキャンスポットに設置された専用スキャンで読み取るものです。スキャンスポットは、コワーキングスペースやルノアール、AppBank Store、ドコモショップなど全国に500か所あります。もちろんスキャナーの利用料は無料です。

Eightでオンライン名刺交換する場合、一番手軽なのがスマホにQRコードを表示してかざす方法です。オンライン商談時にアプリ下部のメニューにある[自分]を選択し、[QRコードで名刺交換]をタップします。これで画面に表示されたQRコードをインカメラにかざして相手に読み取りしてもらえば名刺交換の完了です。相手がEightを使っていれば取り込みできますし、使っていない場合でもブラウザでプロフィールを見ることができます。

交換した名刺にはラベルをつけておくと便利です。「オンライン商談」や「後日訪問」などのキーワードをラベルとしてつければ、あとで検索するときに便利です。

Eightのサイトはこちら

まとめ

無料でオンライン名刺交換できるサービスにはいくつかあり、いずれも使い方はシンプルで充実した機能を持っています。それぞれの特徴と自分の使いやすさに応じて、あるいは実際にオンライン商談で相手が使っているアプリを聞いて選んでみてはいかがでしょうか?