コロナ禍の影響により「オンライン会議」が普及する中、従来の「紙」での名刺交換が困難になりました。またリアル会議の場であっても感染防止の観点から、やはり紙媒体の交換を避けるのが望ましい状況となっています。

そこで、近年注目を浴びているのが「デジタル名刺アプリ」です。こちらの記事では、デジタル名刺アプリの概要と、メリット・デメリットについて解説していきます。

「デジタル名刺アプリ」とは?

「デジタル名刺アプリ」とは、名刺の情報をデジタル化することで、名刺の「作成」、「交換」、「共有」が行えるアプリです。デジタル化した名刺ならではの特徴を活かして、「紙」の名刺では実現できない機能がアプリには多く含まれています。

それでは、主な機能やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

「デジタル名刺アプリ」の主な機能

デジタル名刺の「作成」

最初に、一般的なデジタル名刺の「作成」について、デジタル名刺アプリ「PiQy(ピッキー)」を参考例に説明します。

アプリダウンロード先(Android版)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.piqy

アプリダウンロード先(iPhone版)https://apps.apple.com/jp/app/piqy/id684686195

  

出典:PiQy使い方 | はじめる~カード交換まで

アプリダウンロード後の初回起動時に、「アカウント作成」を行います。その際に「氏名」の入力と「テーマ」を選択します。こちらの「テーマ」とは、いわゆる「名刺のデザイン(テンプレート)」で、後から変更することも可能です。

この段階で名刺の「氏名」以外の情報については未入力ですが、後から情報の追加や更新が可能ですので、このまま直ぐに「交換」することができます。

デジタル名刺の「交換」

 

 出典:PiQy使い方 | はじめる~カード交換まで

画面下部の「さっそくカードを交換する」をタップし、次の画面で「交換モード」を選択します。

ここでは「スワイプ交換モード」を選択し、次に交換する相手のアイコンを選択します。最後に、名刺(このアプリでは「カード」)をスワイプすることで「交換」が成立します。

デジタル名刺の「共有」

出典:ビジカ(ビジネスカードクラウド)| オンライン会議用の名刺背景

名刺交換した相手のデータを蓄積し、関係者間で「共有」できます。ビジネス用途としては、名刺交換時の会議に関する情報(会議参加者、議事録等)とリンクさせて、様々なキーワードでの検索が可能になります。

「デジタル名刺アプリ」のメリット

常に最新情報にアップデート

出典:デジタル名刺「2bs」 | いつでも最新データに

名刺情報がデジタル化されているため、常に最新の情報(所属名、役職名等)がアップデートされます。社内での部署名や役職の変更時だけでなく、転職による「所属会社名」の変更があっても顧客との関係を継続することが可能です。

用途に応じた名刺のデザイン変更

  名刺を渡す相手に応じて、名刺のデザイン(テンプレート)を変更できます。仕事用とプライベート用でテンプレートを使い分けることはもちろん、プライベートでも友人やグループに応じたテンプレートを選択することで幅の広いコミュニケーションが可能になります。

名刺作成コストの削減

アプリをダウンロードして名刺情報を入力するだけで、数分程度の短時間で名刺交換が可能になります。

紙の印刷コストも不要で、印刷待ちの時間や個人ごとの配布作業の手間も不要になります。部著名等の変更もデータ上で完結するため、その都度、新しく名刺を印刷する必要もありません。

「デジタル名刺アプリ」のデメリット

名刺交換する双方でアプリ準備

「デジタル名刺アプリ」のデメリットの一つは、原則として、同一アプリをお互いのスマホにインストールしておく必要がある点です。インストール作業自体は短時間ですが、ビジネスの商談等の場では依頼しにくい面があります。

将来的には、デジタル名刺アプリの標準規格が整備されれば、こういった問題も解消される可能性はあります。

「デジタル名刺アプリ」のサービス終了

「デジタル名刺アプリ」の提供会社が、サービスを終了する可能性があります。終了により、それまで蓄積した名刺情報の取り扱いがどうなるか等が問題となります。

現状、ある程度の規模以上の該当サービスが終了したケースは発生していませんが、ビジネス的に本格導入する際には、サービス終了時の対応を提供会社に確認しておく必要があります。

まとめ

「デジタル名刺アプリ」について、概要やメリット・デメリットについて解説してきました。コロナ禍により、今後のビジネス慣習としての「名刺交換」がどうなっていくかは不透明です。

しかし、こういったビジネスアイテムの「デジタル化」の流れは、政府の重点施策でもあり、今後は一層加速していくものと考えられます。

出典:IT新戦略(案)の概要 | 内閣官房IT総合戦略室

印鑑の廃止等の「アナログからデジタル」の流れも踏まえて、今後のビジネス展開には、「デジタル名刺アプリ」の活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか?