2019年4月から施行された働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」により働く人の事情に応じて多様な働き方を選択でき、一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
それに加え、スマートフォンやノートパソコンの普及、インターネットの発展により、場所を問わず仕事ができるようになりました。
さらにコロナの影響で勤務先のオフィス以外で仕事をするテレワークが導入され、出社せずに働ける会社が多くなりましたが、気になるのがテレワークやリモートワーク、オンラインワークなど様々な呼び名があり、違いがわからず戸惑っている人も多いのではないでしょうか。
なんとなく理解したままだと食い違いが起こってしまう場合もあります。
今回は、テレワークやリモートワーク、オンラインワークなど「勤務先のオフィス以外で働くこと」を指す用語をについて解説します。
それぞれの用語がどういった場面で使われるのかがわかると、適切な場面で使えるようになります。
目次
結局は全て同じ
テレワーク、リモートワーク、オンラインワークと呼び方はいろいろありますが、結論からいってしまうと、ほぼほぼ同じ意味合いです。
主にネット回線を使い、自宅やカフェ、ホテル、コワーキングスペースなど本来勤務する場所以外で働くことを指します。用語の細かな違いとしては、定義されているか、どちらの意味を重視するかで違ってきます。
テレワークとリモートワーク やオンラインワークの違い
「テレワークとは「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のこと。Tel(離れて)とWork(仕事)を組み合わせた造語です。要するに本拠地のオフィスから離れた場所で、ICTをつかって仕事をすることです。」厚生労働省 テレワークポータルサイト(2020.10.18開示)
さらに、テレワークは働き方は3つに分けられます。
テレワークの働き方
在宅勤務
自宅を就業場所とし、インターネット環境からICTや電話、ファクスに接続し、勤務地内の社員や同じような在宅勤務者とコミュニケーションを取りながら働く方法です。在宅勤務というと、全く出勤せずに自宅で仕事をするイメージもありますが、週1~2日の頻度で出勤や一日の一部を在宅勤務で行う、「部分在宅勤務(部分利用)」を導入している企業もあります。家庭の都合や役所への手続きをする場合など、半日休暇などと組み合わせることにより、さらに便利に働けます。
モバイル勤務
移動中の電車などの車内や顧客先、カフェ、ホテルなどを就業場所とする働き方です。隙間時間・待機時間に働けるので効率的です。フリーランスや営業職など頻繁に外出する業務のにもおすすめです。また、オフィスに戻らず直行・直帰することにより、仕事とプライベートのバランスがとれます。
サテライトオフィス
本来の勤務先から離れたところにある部門共用オフィスを使用する施設を利用した働き方です。サテライトオフィスには専用型と共用型の2種類があります。
専用型は自社や自社グループ専用で利用します。営業での外回りや出張の際に立ち寄る、在宅勤務の代わりにサテライトオフィスで勤務できます。設置方法も自社の事業所の中、もしくは既存の事業所とは別に設置する場合があります。
共用型は、シェアオフィスまたはコワーキングスペースと呼ばれる、複数の企業や個人事業主が共用するオフィスです。フリーランスや起業家の間でよく使われます。最近は企業がサテライトオフィスとして契約・利用することもあります。
テレワークが使われている理由
「インターネット回線を使い本来の勤務場所とは離れたところで働く」意味なら、リモートワーク やオンラインワークの方がしっくりきそうです。なぜ、テレワークという用語がなぜ今でも使われているのでしょうか。
国からテレワークを導入した企業に対して、助成金が出る制度があり、その助成金の名前が「職場意識改善助成金(テレワークコース)」となっています。政府が使っている名称も「テレワーク」なので現在でも「テレワーク」の名称が使われています。
このことから、国や政府、役所など公共機関で使用する際にはテレワークの名称を使うといいでしょう。
7.リモートワークはremote(遠隔・遠い)、work(働く)の二つが合わさった造語です。「遠くで働く」意味になるので「テレワーク」と同じと言えます。
オンラインワークも同じ意味ですが、リモートワークが「遠くで働く」に対し「インターネット回線などのオンラインで繋がり働く」ニュアンスが含まれています。
これらの言葉はテレワークに比べ、使われるようになってから日も浅く、語源や定義もはっきりとしていません。
これらの名称は、IT系やスタートアップ企業など比較的新しくできた、伝統に囚われない企業やフリーランスに使われることが多いようです。
まとめ
呼び方はいろいろありますが、結局は従業員にとって働きやすい環境を施策です。働きやすい環境は決して1つではなく、1つに決める必要もありません。上記を理解すれば、悩まずに使い分けられます。
今回のポイント
- テレワーク、リモートワーク、オンラインワークと呼び方はいろいろありますが、主にネット回線を使い、自宅やカフェ、ホテル、コワーキングスペースなど本来勤務する場所以外で働くことを指し、意味合いは同じ。
- テレワークは本拠地のオフィスから離れた場所で、ICTをつかって仕事をするという定義がある。
- テレワークには在宅勤務、モバイル勤務、サテライトオフィスと3つの働き方がある。
- テレワークの名称は国や政府、役所など公共機関で使用することが多い。
- リモートワークはremote(遠隔・遠い)、work(働く)の二つが合わさった造語で遠くで働くと意味合いがある。
- オンラインワークは「インターネット回線などのオンラインで繋がり働く」意味合いが大きい。
- リモートワーク、オンラインワークの名称はIT系やスタートアップ企業など比較的新しくできた、伝統に囚われない企業やフリーランスに使われることが多い。
テレワーク、リモートワーク、オンラインワークの解説は以上になりますが、まだまだ企業や人によって解釈が違うことがあります。
その際は、今回のポイントを踏まえながら柔軟に対応していきましょう。