「オンライン名刺交換が進んでいるみたいだけどなんで?必要なの?」
「名刺交換がオンライン化するといいことあるのかな?」
こんな疑問や悩みをおもちではありませんか?
実は、オンライン名刺交換について、進行の背景やメリットについて理解するのは難しくありません。
この記事の前半では、名刺交換のオンライン化が進む理由とメリットについて解説しています。記事の後半では、経済産業省がオンライン名刺交換を導入した理由について解説しています。
読み終えていただければ、紙で名刺交換していた頃よりもずっと効率的に情報共有や活用ができるようになります。
名刺交換のオンライン化の理由とメリット
なぜ、名刺交換をオンライン化するのか?
オンライン化の背景
新型コロナウイルス感染拡大防止のため「新しい生活様式」が発表され、その中の一つに会議や名刺交換のオンライン化が提言されたからです。
これに伴い、企業は、ZoomやGoogle Meetsのようなアプリを使って、オンライン会議を行うようになりました。
実務上も必要だとわかったから
営業先とWeb会議を行った際、会議後に「参加者の名前や役職、連絡先がわからない」ということも。
そこで、名刺交換の役割の重要性が見直されることになり、名刺交換自体もオンライン化してしまおうというアイデアが出てきたのです。
オンライン名刺交換のメリット
オンライン名刺交換のメリットは下記の4つです。
①コミュニケーションのきっかけになる
②役職や部署名などの正確な情報を確認できる
③企業の資産になる
④リモートワークや遠隔地との打ち合わせや商談で使える
以下、それぞれ解説します。
①コミュニケーションのきっかけになる
営業で初対面の人と話す際、会社のことは事前にリサーチしていてもなかなか担当者のことまではわからないことが多いです。
そのようなときに、名刺のデザインや名前の読み方など、名刺から得られる情報をきっかけに話をすることができます。このような簡単な雑談によって場の空気がなごみ、商談がしやすくなりますよ。
②役職や部署名などの正確な情報を確認できる
ビジネスに最低限必要な情報を得られます。
たとえば、名刺に記載された肩書で担当者のうち、誰がキーパーソンなのかといったことがわかります。キーパーソンを把握せずに営業しても、無駄に終わることになる場合もあるので非常に重要です。
そのほか、メールの誤送信や表記ミスをすることがなくなります。役職・部署名は覚えていることが難しいですし、氏名は一度聞いて漢字表記まではなかなかわかりません。とはいえ、会議に入る前に取引相手一人ひとり氏名の漢字表記の仕方を聞くのは待たせることになり、大変失礼です。またメールで氏名をひらがな・カタカナ表記で送るのも、漢字の間違いを避けるためとはいえ、受け取った相手の印象はあまり良くないでしょう。
このように名刺交換によって正確な情報を得ることで、誰がキーパーソンが把握でき、無用なトラブルを防ぐことができます。
③企業の資産になる
交換した名刺のデータが、企業にとっての資産になります。
オンライン化することで人脈が可視化されやすくなり、それを社内全体で共有することができるよういなったからです。
たとえば、急にトラブルが生じた際、営業担当が不在の場合でも迅速に解決できるようになります。
④リモートワークや遠隔地との打ち合わせや商談で使える
リモートワーク中でも、また取引先が遠隔地にあっても、打ち合わせや商談の際、容易に名刺交換ができます。
オンライン化によって、名刺交換が物理的な距離に関係なく行えるようになるからです。
お気づきかもしれませんが、上記のうち①②は本来の名刺自体の役割です。名刺交換をオンライン化することでこれらのメリットが失われずに済むのです。
また③④はオンライン化することで得られたメリットです。
新型コロナウイルス予防によって会議がオンライン化したことで、名刺交換がビジネスにおいていかに大事だったかを改めて気付かされる良い機会となったのではないでしょうか。
オンライン名刺交換の方法
オンライン名刺交換はまだ登場したばかりで、現在では基本的に名刺管理ツールと会議システムを組み合わせて使われています。
具体的には、Zoomなどのオンライン会議システムの使用中に、自分の背景画像に名刺情報を表示させたり、QRコードを埋め込んでリンク先に情報を見てもらうなどの方法があります。
あるいは、同じ名刺管理アプリを使って名刺交換をするという方法です。ただしこの場合相手も同じアプリを持っている必要があるため不便であるという課題があります。
なぜ経産省はオンライン名刺交換を導入したのか?
経済産業省は職員4,000人でオンライン名刺交換サービスを利用することを発表しました。
その理由は、次の2つです。
・現場情報の共有・活用
・効果
以下、それぞれ解説していきます。
現場情報の共有・活用
経済産業省は目まぐるしく変化する社会の動きや、市場のプレイヤーの課題に対応する必要があります。
特に産業の現場に即した政策の立案が重要ですが、無数にある現場について職員が理解しているわけではありません。
そこでオンライン名刺交換を利用することで、現場の情報を共有し、政策の立案へと活用することが企図されました。
効果
ではどのような効果があったのでしょうか。経済産業省は次の3つの効果が得られたと述べています。
・生産性の向上
・情報収集の効率化
・人脈の可視化による情報共有の活性化
以下、それぞれ解説していきます。
生産性の向上
名刺データをデジタル化することで、紙で行っていた名刺の整理などが不要になり、大幅に業務の合理化につながりました。また人脈、企業情報、コンタクト履歴など、時間・場所を選ばず確認できるので業務効率もアップしました。
情報収集の効率化
変化の激しい時代に市場のプレイヤーの課題を把握することは経済産業省の任務です。これまでは最新の情報を集めるのにも膨大な時間がかかっていましたが、名刺交換した人や企業に関するニュースを収集する機能を活用することで、最新情報を素早くチェックすることができるようになりました。
人脈の可視化による情報共有の活性化
現場へのヒアリングで名刺交換をする部署はありつつも、局を横断しての情報共有はなかなかなされていませんでした。オンライン名刺交換で人脈を可視化することで、省内全体で情報共有することができるようになりました。
まとめ
ここまでの内容をまとめます。
・オンライン名刺交換が広がっているのは、名刺文化がビジネスをするうえで重要だと再認識し、さまざまなメリットがあるから。
・経産省がオンライン名刺交換を導入したのは、現場の情報の収集や、生産性・業務効率の向上の効果があると確認できたから。
これまで対面で行っていた名刺交換がいざなくなると、その重要性をあらためて理解することになりました。
そこで進められたオンライン名刺交換。
オンライン化によって名刺交換にまつわるやっかいなマナーは不要になり、名刺の情報を共有・活用することが容易にもなりました。こうした変化は今後もますます進み、名刺交換のようなビジネスでのコミュニケーションはよりスマートなものになるのかもしれません。