スマホの普及とともに、「QRコード」の入ったビジネス名刺が一般的に使われるようになりました。これはスマホアプリでQRコードを簡単に読み取りやすくなったことや、読み取ったURL等の情報にそのままアクセスできることが理由として考えられます。

こちらの記事では、QRコード入り名刺を作成するメリットや作成方法、またQRコードでの名刺交換サービスといった「紙」の名刺にはない特徴等、ビジネスの場で役立つ情報をご紹介していきます。

「QRコード入りビジネス名刺」のメリットとは?

ビジネスの場で取引先との商談等の際に、QRコードが入った名刺にはどのようなメリットがあるのかをみていきましょう。

名刺では伝えきれない情報へ誘導できる

QRコードの情報量は、数字であれば最大7,089文字、漢字・かなであれば最大1,817文字まで含めることが可能です。もちろんこれだけの情報量を名刺サイズに含めることもメリットです。

しかし、一般的なQRコードの活用方法としては、自社サービスサイトのURL、商材や製品のランディングページのURL等、名刺では伝えきれない情報へ誘導できるのもメリットといえます。

「情報劣化」を防げる

「紙の名刺」ならではの問題として、社名変更や商品情報の変更等で、印刷した情報が古くなってしまう「情報劣化」が紙の性質上、どうしても発生してしまいます。このような問題に対しても、オンライン上への情報へ誘導する形式であれば、即座に対応することが可能というメリットがあります。

名刺情報を入力する手間が省ける

同様に紙の名刺では、名刺を受け取った後にURL等の詳細な文字情報を入力する作業が発生します。

有名な「Sansan」のように名刺を「スキャニング」して管理するサービスもありますが、やはり一手間掛かる点には変わりません。

出典:Sansan – 法人向けクラウド名刺管理サービス

その点からもスマホでQRコードを読み取ってもらう方が、ダイレクトに情報がデジタル化できるというメリットがあるといえます。

「QRコード入りビジネス名刺」を作成する方法

それでは「QRコード入りビジネス名刺」を作成する方法をご紹介していきます。

様々な方法がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあるので、こちらで紹介する方法が参考になるかと思います。

「QRコード作成サイト」で作成する方法

「QRコード作成サイト」で、QRコードを作成することが可能です。基本的な利用方法は、QRコードに含めたいURL等の情報をサイトで入力するだけです。また作成したQRコードは、各種形式の画像データサイズを調節しながらダウンロードすることが可能になっています。

多くの「QRコード作成サイト」は無償で利用できます。

例えば、「QRコードの本家」であり登録商標も持つ「デンソーウェーブ」の「クルクルManager」といったサービスがあります。

出典:QRコード作成|QRの解析|クーポン発行 無料|商用利用可|クルクル マネージャー

こういったサービスの場合は、作成したQRコードの配置や名刺全体のレイアウトを自力で検討する必要があり、デザインセンスも問われるビジネス名刺への活用は難易度が高いといえます。

オンラインの「名刺印刷サービス」に依頼する

名刺の自作はとても無理ということであれば、「名刺印刷サービス」を提供している業者に依頼するのが便利です。もちろん有償になりますが、ビジネス的な効果も含めて名刺のレイアウトがデザインされた名刺となることや、印刷時の色味等の調整や大量印刷等を任せることができます。紙の名刺が必須ということであれば、こちらの作成方法が一般的といえます。

例えば「デザイン名刺.net」のように、予め用意された223種類のデザインテンプレートから選択するだけで簡単に発注できるサービスがあります。

出典:デザイン名刺.net | 名刺デザインテンプレートが223種類! 

QRコードで名刺交換できるサービスを利用する

QRコード自体がデジタル情報ですので、インターネット上で展開されているオンラインサービスとの親和性が高いのが特徴です。そこで、いっそのこと「紙の名刺」から「デジタル名刺」へと切り替えるというのも妥当な選択肢といえるでしょう。

例として「ビジカ(ビジネスカードクラウド)」というサービスの利用方法をご紹介します。

最初に、名刺に含める情報をサイトで予め入力しておき、オンライン上での「デジタル名刺」を作成します。

次に、その「デジタル名刺」の画像を表示するためのURL情報が含まれる「QRコード」を作成します。

そして、そのQRコードをデジタル名刺に表示するわけですが、こちらのサービスではリモート会議で使用する背景画像に簡単に埋め込むことができます。このQRコードをお互いに読み取ることで、会議中であってもタイミングを気にせずに「名刺交換」することが可能になります。

ビジカを持っている場合

ビジカの特徴のひとつに、「双方でのアプリのインストールが不要」という利点があります。双方がビジカのアプリをインストールしていなくても、QRコードを読み込むことで、名刺画像としてデバイスに保存ができます。

ビジカアプリを持っていない場合

デジタル名刺は、専用のアプリが必要となり、相手方がアプリをインストールしていなかったり、名刺を保存することができない問題がありました。しかし、ビジカでは、お互いアプリをインストールしていなくても、名刺を交換することができる特徴があります。

さらに、オンライン会議で生成したQR名刺をバーチャル背景として使用できるため、会議を円滑に進めることができるメリットがあるのです。

出典:ビジカ(ビジネスカードクラウド) |  オンライン会議用の名刺背景を生成

QRコード作成時の注意点について

紙の名刺だけでなく、オンライン上の「デジタル名刺」のサービスもご紹介してきましたが、いずれにしてもQRコード作成時の注意点があります。

QRコードの周囲に十分な「余白」を確保する

QRコードの読み取りエラー防止のために、その周囲に「余白(何も情報表示されていない部分)」を設ける必要があります。

具体的には、QRコードの「セル」サイズとの比較で、4セル以上の余白を設けることが推奨されています。ちなみに「セル」とは、QRコードを構成している「四角い白黒の正方形」の一つ一つのことです。

名刺を自作した場合に起こりがちですが、名刺のレイアウトでQRコードの周囲にイラストやロゴ等を配置して余白を確保できない、といったことがないよう注意が必要です。

QRコード自体をできるだけ大きなサイズにする

QRコードは、セルサイズが小さ過ぎると、スマホ等での読み取れなくなるので注意が必要です。

名刺のデザインテンプレートは、レイアウト上でサイズの考慮もなされているので活用するのがおすすめです。なおQRコードの画像解像度としては、印刷時に「350dpi」程度が一般的に推奨されています。

また無料サイトで作成したQRコードの画像データは、「72dpi」程度と解像度が低く、画像編集ソフトで修正する必要が出てくる点も注意しましょう。

QRコードのセルの歪みやコントラストを調整する

サイズの問題だけでなく、QRコードの画像データを画像編集ソフトで調整することで、セルが歪むことがあります。

また印刷の色味が薄いことでコントラストが弱いといった、スマホでは読み取りづらい状態となっていることもあります。

どちらも肉眼では確認しづらい場合があるので、QRコード入りの名刺を作成した際には、必ず読み取りテストを実施しましょう。

まとめ

これまでQRコード入り名刺を作成するメリットや作成方法、またオンラインでの名刺交換サービスの特徴等の情報をご紹介してきました。

昨今のコロナ禍では、リモート会議が増加傾向にあることや、感染予防の見地から「紙の名刺」の交換が控えられるといったトレンドが予想されます。

これらの課題解決のために、紙の名刺から「デジタル名刺」へのシフトもご検討されてみてはいかがでしょうか?