コロナ禍でのオンライン会議の普及により、従来の「紙」の名刺に代わってオンラインでの名刺交換のニーズが高まっています。その際に欠かせないのが「オンライン名刺交換アプリ」です。法人向けクラウド名刺管理サービスのCMで有名な「Sansan」、SNSで圧倒的なシェアを誇る「LINE」をはじめ、多くの企業からこのアプリが提供されています。

豊富な選択肢がある「オンライン名刺交換アプリ」ですが、一度利用を始めると他のアプリへの乗り換えが容易ではないため、最初のアプリ選択はぜひ慎重に行いたいところです。こちらの記事では、「Google Play ストア」で配信されている「オンライン名刺交換アプリ」の中から人気のアプリを厳選して徹底比較しました。

今回、アプリを比較する際の「検証ポイント」は、以下の5点になります。

検証ポイント①:利用料金

検証ポイント②:基本機能(名刺情報の登録・管理)の使いやすさ

検証ポイント③:その他機能の豊富さ

検証ポイント④:独自機能

検証ポイント⑤:個人情報の保護

各「オンライン名刺交換アプリ」の概要もご紹介しますので、アプリ選択の際にはぜひご参考にしてみてください。

アプリ比較の検証ポイント

「オンライン名刺交換アプリ」を比較する上で重要となる「検証ポイント」について解説します。

検証ポイント①:利用料金

個人・法人での利用に関わらず、やはり「利用料金」はアプリ選択時の重要なポイントです。完全無料、一部有料、(基本的に)有料等の分類方法で検証しています。

検証ポイント②:基本機能(名刺情報の登録・管理)の使いやすさ

「紙の名刺をスキャンする」、「名刺情報を登録する」といった「オンライン名刺交換アプリ」の基本的な機能について検証します。
評価結果は、総合的に判断して「★(5段階)」の数で表現しています。

検証ポイント③:その他機能の豊富さ

基本的な名刺情報の登録や管理の機能以外にも、多くの関連機能がサポートされています。他サービスとの連携機能等を検証していきます。
評価結果は、総合的に判断して「★(5段階)」の数で表現しています。

検証ポイント④:独自機能

他のアプリにはない「独自機能」の有無や、その機能の利便性について検証してます。

検証ポイント⑤:個人情報の保護

最後に、個人情報の「宝庫」ともいえる「名刺情報」は、やはり機密性やセキュリティが気になるところです。各アプリでの個人情報の保護について検証します。
評価結果は、総合的に判断して「★(5段階)」の数で表現しています。

「オンライン名刺交換アプリ」の比較表

各アプリの比較結果は、以下の通りです。

Eight myBridge Wantedly People CamCard ビジカ
利用料金 ・基本機能は無料
・「Eightプレミアム」は¥480/月または¥4,800/年
・完全無料
(※広告なし)
・完全無料
(※ただし広告あり)
・無料版(広告あり)
・ビジネス版は¥1,700/ID/月
・¥700/ID/月(3ヶ月無料)
(※法人限定)
基本機能 ★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★
独自機能 興味のある求人への応募可能 分野別の専門家に出会える「専門家広場」 スマホで一度に最大10枚の名刺を読み込み可能 「名刺レーダー」機能で近くにいる人と交換可能 オンライン会議用の名刺背景の生成
個人情報の保護 ★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★ ★★★
その他の機能の豊富さ ★★★★
(Sansanと連携)
★★★★
(LINEと連携)
★★★★
(Wantedlyと連携)
★★★★ ★★★

各「オンライン名刺交換アプリ」の解説

こちらの表を参考に、各アプリの評価結果を解説していきます。

「Eight」

eightのスクリーンショット

参考:https://8card.net/

出典:Eight – シェアNo.1名刺アプリ

関連記事:オンライン名刺アプリ「eight」を使ってみた感想レビュー

法人向けの名刺管理クラウドサービス「Sansan」を提供している企業だけあって、ビジネス向けに名刺管理方法等の機能が使いやすく工夫されています。特に「Eight」アプリ内から企業の情報収集をしたり、気になる求人に応募したりする機能は、他のアプリにはない特徴です。

他に名刺のようなビジネス向け機密情報を長年扱ってきた経験から、「個人情報の保護」について強いことをアピールしています。
基本機能は無料でもある程度利用できますが、有料利用が前提となっている模様なので、本格的にビジネスで活用するには「Eightプレミアム」の有料プランをおすすめします。

「myBridge」

参考:https://jp.mybridge.com/online-meishi

出典:myBridge – LINEの名刺管理アプリ

関連記事:オンライン名刺アプリ「myBridge(マイブリッジ)」を実際に使ってみた感想

メッセージSNSアプリで有名な「LINE」から提供されていますが、何より特徴的なのは「完全無料」である点です。名刺の登録枚数上限等の制約もなく、広告も表示されません。またLINEと連携してオンライン名刺を交換できる点もLINE社ならではというところです。

特徴的な独自機能としては、アプリ内から分野別の専門家にメッセージを遅れる「専門家広場」です。各分野や職歴等で検索し専門家を検索することで、ビジネスパートナーや優秀な人材を検索しアクセスすることが可能となっています。

名刺管理機能としては、比較的シンプルにまとめられています。そのため基本的な名刺交換・管理の機能だけ利用できれば良い方には、無料ですが十分なアプリといえます。

「Wantedly People」

wantedlypeopleのスクリーンショット

参考:https://people.wantedly.com/

出典:Wantedly People

「Wantedlyのプロフィールと連動」等で、ビジネスSNS「Wantedly」アプリと連携することがやや前提となっています。しかし、ビジネス向けコネクション形成の推進を長年行ってきた蓄積から、ビジネスSNSアプリとしての完成度が高いです。

例えば、「メモ機能で相手の特徴や出会ったシーンを記録」や「国内トップシェアのスキャナ連携で名刺を一括スキャン」といった地味ながら有用な機能が数多くサポートしています。
広告表示はありますが、無料ながら豊富な名刺管理機能を利用できるので一度試してみる価値があるアプリといえます。

「CamCard」

camcardのスクリーンショット

参考https://www.camcard.jp/business/

出典:CamCard:名刺管理•日本語他16言語対応

関連記事:オンライン名刺交換アプリCamcard使ってみた 【ガチレビュー】

米国企業が提供している世界中最も利用者数が多い名刺管理アプリです。そのため名刺管理の基本機能は完成度も高く充実しています。ただし「世界標準」な作りのため、名刺情報を表示するUI周りがやや「日本語」表示としては弱くなっています。また「個人情報の保護」については、米国での法律が基準となっている点に注意が必要です。

アプリ自体は、「広告無し無料版」と「有料版(\100)」の2種類が提供されています。ただし、アプリ単独でも利用できますが、法人向け名刺管理ソリューション「CAMCARD BUSINESS」との有料サービスとの連携することで、本格的なビジネス向けとして利用できるようになります。

「ビジカ」

ビジネスカードクラウドのスクリーンショット

参考:https://lp.busica.jp/

出典:ビジネスカードクラウド | オンライン会議用の名刺背景を生成

「名刺情報をQRコードでもらったけど名刺データベースへ格納・連携が出来ず、後からコンタクトが取れない」等、オンライン会議においてよくある困ったことの解決できる法人向け「オンライン名刺交換アプリ」です。

特に特徴的な独自機能として、「オンライン会議用の名刺背景」を生成できるので、軽い自己紹介のみで名前や役職がわからなくなって会話に入りづらい状況でも安心です。ユーザー毎に\700円/月の有料プランですが、リモートワーク支援によって初月を含む3ヶ月は無料で利用することができます。

まとめ

今回、「オンライン名刺交換アプリ」の中から人気のアプリを厳選して徹底比較した結果をご紹介しました。また各アプリについて、比較検証ポイントでの評価結果を解説いたしました。主にビジネス向けアプリを中心に厳選していますが、個人向けに100名以下の名刺情報を管理するのであれば、無料アプリで十分と思われます。

逆に、「オンライン名刺」をビジネスの場に積極的に活かすという企業であれば、昨今の「個人情報の保護」も考慮に入れると、国内アプリの有料サービス利用をおすすめしたいと思います。今回の評価結果表を参考に、自社にあったアプリを検討してみてはいかがでしょうか?